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彼の世界は官能で出来ている。
第9章 好きとか嫌いとか
「こんな…もんかな?」
嘉良くんとのデート当日、私は鏡の前で自分の姿をまじまじとながめて呟いた。
あの日――――…瑛斗と喧嘩をしたまま店を出てしまった。
それから、今日まで瑛斗とは連絡も取っていないし…姿だって見ていない。
嘉良くんは相変わらず、私のバイト先に来ては仕事をしたり打ち合わせをしたりする姿を見かけていたから…今日あえてデートと言う感覚がない。
「――――なによ…ちょっと…浮かれたっていいじゃない…」
瑛斗の言う通り社交辞令の“デート”だとは自分でも分かっている!
でも、大学をでてからそう言う浮いた話がなかった私にしたら…それでも浮かれるには十分だった。