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彼の世界は官能で出来ている。
第9章 好きとか嫌いとか
「――――誰だろう…こんな時間帯に…」
「バイト先の店長かも…出ていい?」
嘉良くんに了解を得てスマホを鞄から取り出すと、そこには“佐久間さん”の文字…
「佐久間さん…から?」
「――――え?誰…佐久間さんって、店長?」
スマホの画面を見る嘉良くんが不思議そうに私の顔を覗く。
「瑛斗さんの…――――末広先生の担当さん…」
「///えっ、末広先生の担当?それが何で上原のスマホに連絡してくるんだ?」
たまに連絡がつかない瑛斗を探して私に連絡が来ることがあったが…最近はそんなこともなく、少し存在を忘れていた!
取りあえず電話に出ると――――…
『あっ、もしもし――――そこに末広はいるかい!?』
出た瞬間に佐久間さんの声が受話器に響いた!
「え?あっ、佐久間さん?どうしたんですか?」
『末広が――――…仕事に来ないんだよ!今日は新作と…アプリの追加シナリオの打ち合わせがあって朝から会議の予定だったんだ!なのに、時間になっても来なくて――――…』
いつもの遅刻じゃない?と、思っていたが…佐久間さんの声のトーンを聞いている限り…そうじゃないらしい。