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彼の世界は官能で出来ている。
第9章 好きとか嫌いとか
短いやり取りだったが…
ズシッと…重い何かが胸に置き去りにされた。
「上原?――――末広先生…どうしたの?」
隣で聞いていた嘉良くんがスマホを耳に当てたまま動かない私に話しかけた。
「あっ――――…仕事に来ないって…バタバタしていた…」
「遅刻?――――ドタキャン?珍しいですね…末広先生が…」
どうやら、瑛斗は仕事は多少の、遅れはあるものの…ドタキャンや大幅遅刻はないらしい。
――――どこまで…真面目なんだよ!
「――――そのうち来るでしょって…担当さんも焦ってたみたいだけど…」
「そう――――…なら、そのうち来るかな?」
私はスマホを見つめ――――…胸の重さに眉を歪ませた。