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彼の世界は官能で出来ている。
第9章 好きとか嫌いとか
あれから、何時間…瑛斗を探しただろう…
“サブレ”にはいなかった…
私のバイト先のファミレスにもいなかった…
もしかして、と――――私のアパートに行ってみたがいなかった…
「――――あれ…私…瑛斗のこと…何も知らない…」
胸の奥の重りが――――ズシンと更に重くなる…
「あれ――――?あれ…?私…」
“探します”と、啖呵を切って出てきたのに…
いざ瑛斗を探そうと飛び出すも――――…
私は彼のことを…何も知らなかった…
何処に住んでいるのかも…
どんな場所を好むのかも…
私は何も――――…
「…最悪――――…ぜったい…傷つけた…瑛斗さん…怒ってるよね…」
あんな事…言いたいわけてはなかった…本心じゃない…
「会って――――謝りたい…///謝りたいのに…」
私は自分のアパートの前で…子供のように泣いた。