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彼の世界は官能で出来ている。
第2章 彼の名は
結局…私に用事があると言った彼は…私を連れて裏路地の少し暗い喫茶店に入った。
「ここなら、客も少ない――――…安心して話が出きる」
「いらっしゃい――――…って、来るなり失礼だぞ?瑛斗(えいと)」
店に入るとカウンターから、40代ぐらいの男性が呆れた顔色で私たちを向かい入れてくれた。
そこは、カウンターの他にテーブル席が3つだけと…極狭にシンプルな喫茶店だが、何故か居心地のいい空間だと思った。
「ここは私の避難シェルターだ…」
「避難――――?」
席につくなり、彼の前には当たり前のようにアイスコーヒーが出され…私にはブレンドコーヒーが出された。
「ここ――――…瑛斗の隠れ家、まぁ…ここに来る客は大抵…避難してくるって感じだね?」
――――避難?何から避難してくるんだ?この人は…
「また、逃げてきたのか?」