この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
彼の世界は官能で出来ている。
第2章 彼の名は
「あぁ――――締め切りって…しつこくて…さっきも…」
マスターの問いかけに真顔でスマホを握り潰そうとする彼に少し印象が変わる。
「え~…締め切りですか… 作家さんだとは予想はしていましたが―――…避難するくらい逃げ回ることないんじゃないですか?締め切り守らない貴方が悪いんですから。」
すると、彼はアイスコーヒーにたっぷりガムシロップを入れると一気に飲み干した!
「あいつら…容赦がない――――…私が何本…連載や他の仕事をしていると思っているんだ!最近では、本業がおろそかになりすぎて…淫語の泉が枯れそうだと言うのに!?
何度も、何度も…何度も何度も何度も何度も何度も…」
――――い、淫語の…泉?
「あ~…ほら、瑛斗――――…彼女さん引いてる…引いてる…」
マスターが私を見て困った顔をする。
それもそのはず…彼は拳を握り今にも口から血を吐かんとばかりの顔をしているのだ…
「イ…イケメンが――――…台無しですね」
「そうだねぇ…超モテるのに――――ねぇ」
マスターも困った顔を私に向ける。