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彼の世界は官能で出来ている。
第12章 別世界の壁

マスターのサブレは安定の美味しさてホッとした。



「そうだ――――…マスター、瑛斗からは何か連絡はないですか?」




すると、マスターは首を横にフル。



「佐久間さんとかからもですか?」



「ここは瑛斗の官能シェルターってところだから…同業者や関係者にも場所を教えないって、昔から言っていたんだ…こっちとしては、紹介してもらって客を増やしてもらう方が嬉しいんだが」



そうか、だから嘉良くんをここに連れてきた時…ふて腐れていたのか…



「そうですが――――…まだ、仕事…うまくいってないのかな?」



「あ~…逆に官能小説がうまくいっているってことなのかもしれないぞ?」



「――――そ、それはそれで…末広先生の作品を待っている人々には不幸な知らせですね」


末広ファンな嘉良くんは肩を落とす。


――――なんて…ややこしいヤツなんだ!


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