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彼の世界は官能で出来ている。
第12章 別世界の壁
雑誌を見ると、バイト先で談笑している私と嘉良くんが映っていて、原稿に何かを足しているように……見えなくもない…
「これって、嘉良くんの推理小説を赤ペンでダメ出ししているところだよね?全然こんなに和やかじゃなかったよね?」
「ん?言われてみれば…この時は…俺の心はバキバキに上原に折られていたような…」
笑顔なんてほぼ無かったような日だったのに…一瞬の笑顔を押さえるとは!?なかなかの手練!
しかも、その日だけではない…何日も…
「すでに――――…嘉良くんのストーカー並みのカメラマン!?」
記事は、また別の人間だろうが…この写真数枚で想像を膨らませて書いたとしたら…かなりの腕である!
「この、記者…こんな記事書かないで小説家にでもなった方がいいんじゃない?」
マスターは「上手いこと言うなぁ~」と、私の前に珈琲を出してくれた。もちろん、チョコチップサブレ付で!