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彼の世界は官能で出来ている。
第13章 巨匠の娘、レジェンドの弟子

「ジャンルって――――へ?」


一応…官能小説家も“小説家”だから、濁らせながら話してきたが…


ジャンルを問われると…何て言って良いか分からない…



しかし、芸能関係やゴシップ関係に弱い私の両親だ…小説家の名前を言っても知らないだろう…


「大御所作家さんの名前は――――影街 龍之介先生…だったかな?」


「は?!影街龍之介?!」






――――へ?



作家の名前に反応したのは…


何かと世間に疎いお母さんだった!




「え――――…お母さん…影街龍之介…知ってるの?」


「知ってるも…なにも……」



お母さんは、少し困った顔をしてお父さんと目を合わせる。




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