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彼の世界は官能で出来ている。
第13章 巨匠の娘、レジェンドの弟子
「実はね――――…」
私は…ここ最近の自分の現状と失恋した事を話した。
何でも話せる我が家の雰囲気は好きだが、ここまでぶっちゃけた話をしたのは始めてかもしれない。
お父さんからしてみたら、娘の恋愛話なんて聞きたくはないだろうが…
私はどうにもならない気持ちを助けてほしくて話した。
「そ、その――――小説家…“末広 八”って作家は…結局、百々子を捨てて大御所小説家の娘と結婚するって訳だな?」
「うん――――…多分」
「多分って何?ちゃんと話をしていないの?」
お母さんは驚きながら眉を歪ませる。
「その、大御所小説家って……すごい人なのか?」
父さんは不味い豚汁を一応食べ終え…口直しに煎餅を噛る。
「――――あ…うん、多分…ジャンルがジャンルなだけに…よくわかんないけど…」