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彼の世界は官能で出来ている。
第4章 歯痒い才能
「私は…幼かったのであまり記憶がありませんが。優しいおじちゃんってイメージでした。
有名な作家さんだと言うことは、知っていたけど…そこまで心酔する作家さんだったの?」
「まぁねぇ…“月睦 娜無”と言えば…官能小説家内では大御所……官能の代名詞って感じだったのは確かだね」
マスターは何か思い出すようにそう言った。
「俺が――――月睦先生に弟子入り志願したのは…18歳の頃だ…」
――――うわ!復活した!?
いつの間にか頭を抱えうつ向く瑛斗が、ボソリと喋りだした。
「15歳のころ…父親の書斎で月睦先生の小説を読んでから――――…俺の世界が変わったんだ」
――――思春期ですしね…そりゃぁ…変わるでしょ!
「それから――――いろんな官能小説を読み漁ったけど…月睦先生の表現が俺にはしっくり来たんだ」
――――性癖が合っていただけなのでは?