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蘇州の夜啼鳥
第2章 かりそめの恋
「…そのままの君が好きなんだ。
澄佳に似ているからじゃない。
暁蕾が暁蕾だから、愛しているんだ。
もうずっと前からだよ…!」
「…片岡さん…」
潤んだ瞳がじっと片岡を見上げる。
「…シャオレイ…」

…近づいて、優しく引き寄せようとする手を不意に叩かれた。
美しいが気の強い猫のような瞳が、ぎらぎらと片岡を睨め付ける。
「やっぱり信じられないわ!
貴方はきっとどの女のひとにも同じことを言うんだわ!
日本人は、信用ならないもの!」

激怒しながら後ずさる暁蕾を、慌てて追いかける。
暁蕾の背後…見覚えがある風景に、はっと息を飲む。
嫌な予感がする…。
…まさか…ここは…あの…

「待てよ。信じてくれよ。
…てか、シャオレイ…そこ…多分、柵がないから…!」
暁蕾はせせら笑った。
「二度も柵がないなんて、あり得ないわ!
もう騙されないわよ!」
止めようとする片岡の手を乱暴に振り払い、そのまま無造作に後ろ向きに進む。
「触らないで!嘘つき!」
案の定、柵が途切れた古池の淵ぎりぎりに暁蕾の脚が進む。
暁蕾は興奮しているのか、足場にも気づかない。

…何のデジャブだよ…!

片岡は大股で暁蕾に走り寄り、その白い手を引き寄せる。
「嘘じゃなくて、本当に池があるんだっ…て…!」
「…え⁈」
ぎょっとしたように振り返るのと、暁蕾の身体があの因縁の池に滑り落ちるのは同時だった。

「シャオレイ!危ない!」
落ちかかる暁蕾の身体を胸に強く抱き込み、片岡は再び冷たい古池に派手な水飛沫と共に落ちていったのだった…。

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