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第3章 ふたりの出会い、ふたつの家庭

「口が悪いのも本性か。青木には女らしくしていたし、それを隠してたよな？」


「へらへらしないでよ！余計にキモイから」



どれだけ口悪く言っても椿さんは何ら抵抗なく受け止めていたようだった。

それどころか言われた通りに冷たい床に土下座をして土嶋さんに向かって頭を下げ始める。



「いきなりキスをして悪かった。おれと付き合おう」



「じっ、冗談を真に受けるところがキモすぎ！」


「好きな後輩に向かって土下座をするのは初めてだ。それに、おれにとって本気の告白だったんだけどな」


はっきりとした答えも返って来ていないのに椿さんは冷静にそう話す。


「ドМかよ！？白米さんを諦めたいから先輩がわたしを好きになって、わたしは祐の代わりに先輩を好きになれってことですか？
傷の舐め合いをしたいなんて悪い趣味ですね」