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永遠の愛のカタチ
第3章 ふたりの出会い、ふたつの家庭
冷えきった床から立ち上がった椿さんは両手を広げて待ち受ける。
その大人の包容力が眩しくて、今までずっと祐の方を向いていて揺らぐことがなかった心を動かされた。
祐に素っ気なくされるようになってから真っ直ぐに向けていた恋心が朽ちていっているような感じはしていたけれど……。
「そこまで言うなら責任を取ってもらいますよ」
「取るから言えるんだ」
「先輩がそんな人だとは思ってもいませんでした」
「お互いにお互いのことを見ていなかったから知らなかっただけだろ。土嶋と話すようになってからの方が可愛いところもいっぱい知れているから」
椿さんの胸に土嶋さんがゆっくりと近づいて戸惑いながらも寄り添ってみると抱きしめてくる。
またしばらく静かな時間が始まった。
舞い降りてきた雪が積もっていくようにとても静かだけれど、触れ合った体は黙っていなくて二人の熱を上げていく。
「今日の夜は帰さないぞ。一人暮らしをしているんだから大丈夫だよな?」