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さすがに無理やろ
第2章 ある意味、峰不二子
そんな妄想の日々を送って数週間後

俺はやっと青山さんを
目撃することになった

それは
外回りから戻った時のことやった

「鈴木部長
これでは上に書類を通すことはできません」

聞き慣れない声に視線を合わせると
部長の席の前に立ってる
女性の後ろ姿が見えた

女性なのに
珍しくスーツ姿

それもパンツスーツ

髪を一つに束ねたその女性は
やや硬い口調で部長と会話をしていた

「いやーでも青山さん
これはもう時間も無いし
なんとかならないかなー」

あ、青山さん?!

「時間が無いのは分かっています」

た、確かにちょっと
口調は凛としてて
弱々しい雰囲気はない

「じゃあそこをなんとかさぁー」

「……」

「頼むよー」

「分かりました。
このデータ、私に送って下さい。
私が訂正させていだきますので」

「いつもすまないねー」

あー…
あいつらが
青山さんと寝るんは無理言うてたん
分かる気いするな…

部長があんだけ
冗談めかしてやんわり言うてんのに
青山さん
無茶苦茶冷たい言い方してるやんけ
と、思ったその時
用を終えた青山さんが振り返った

青山さんとは寝られへんとか
そんなこと考えてることが
バレる訳ないのに
妙に焦る

けど俺は平然を装いながら
チラリと青山さんの顔を観察すると…

思うてたんと
ちょっと違うなぁ

それが素直な感想やった
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