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さすがに無理やろ
第11章 不二子…ちゃん?

「あっ…」

青山さんは
そんな声を漏らしたあと
俺の腕の中に収まった

けど
全く脱力なんかしてなくて
ガッチガチのまんまや

「青山さん
どない人と付き合うてた?」

「…え?」

「葵ちゃんは
ずっと恋人おらんて言うてて
ほんまにずっとおらんのかもやけど」

「…はい」

「その元彼にな
なんや妬けるわ」

そう言って
もう少し強く抱きしめると
青山さんは
俺の腕をギュッと掴んだ

「早う
そいつより上になりたいわ」

青山さんとキスもしたいし
いやらしいこともしたい
悩みも打ち明けて欲しいし
怒った顔も見たい
とにかく…もっと青山さんに近づきたい

「……上?」

「せや
青山さんに甘えられたい」

「……」

すると
黙っていた青山さんが
俺に抱かれたまま
縛っていた髪をほどいた

そして

さっきよりも
身体の力を抜いて
俺に身体を預けた

おそらく
甘えて欲しいという
俺の希望を叶えようとしてくれてんのやろう

あぁ…たまらん

青山さん
こんなことすんのか


もう心臓バクバクやで

そんでもって
今、この部屋
なんや甘い空気流れてないか?

もしかして…
もしかして
このままキスとか
してええんちゃうやろか…

と、思った瞬間やった

『グーーー…』

鳴ったんは青山さんの腹
その瞬間
「やだ」
青山さんは俺から離れて
腹を抑えた

「あはは、腹減ってんのか?」

「…なんだか急に」

「なんや俺も腹減ってきたわ。
よし!
うどん作ったるわ」

青山さんは
風呂入って無かったけど
飯も食うてなかったらしい

「うどん言うても
冷凍のうどんやけどな?
今日は心配させてしもたから
御馳走するわ」

「はい」

それから俺達は
仲良く深夜にうどんを食べて
お腹を満たした頃
時計の針は
3時を指そうとしていた
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