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さすがに無理やろ
第12章 いよいよ
『ホテル』と言うたんは
俺の意図がより的確に
伝わった方がええと思たから
とにかく俺は
過去に色々あったらしい青山さんに
拒否するチャンスを
あげたかったんや
それに
もし拒否せぇへんなら…
ホテルでも
俺の部屋でも青山さんの部屋でも
ドアを閉めた瞬間から
抱きしめたかったしな
「ホテルでもええ」
その言葉に
一瞬
身体をピクリとさせた青山さんに
「このままバイバイでもかまへん」
そう付け加えると
青山さんは少しの間考えた末
こう答えた
「…新飼さんの部屋に行きます」
俺の部屋で
俺のペースで
全て任せる
そういう意味やろうか
「分かった」
青山さんの答えに
そう短く答えると
俺は青山さんの手を
優しく握りしめて歩き始めた
これから
セックスをする
そんなことを
あえて言うたこともないし
事前に
了承を得たこともない
そんなもん
空気感じてするもんやし
そんなムードになって
流れでそうなるもんや
ほんま…
青山さん相手やと
いつもの自分やのうなる
青山さんが…大切すぎんねやろな
「あ、あの…」
「ん?」
「の、飲み物とか
買いますか?」
「だいたいのもんはあるで」
「そう、ですよね」
「じゃ、じゃあ
おつまみとかそーゆーのは」
「それもある」
「あ、アイスとか…」
「クスッ。
緊張してんのか?」
「い、いえ、そんな
あ、いえ」
「ん?」
「…してます」
「あはは」
あかん!
ツボや!
なんちゅう歳上やねん
もう今ここで
抱きしめたいくらい
好きや
「だって」
だって?!
おーー
敬語やないの出たな!
「なんや?」
「そんな…
そんなことわざわざ」
「クスッ、せやな。
けどな
青山さんが断るチャンス
あげたかってん」
「え?」
「辛いこと思い出すから
いややーとか
まだ早いとか
そーゆーの
俺が仕掛けてもつたら
言わんと我慢しそうやから」
「新飼さん…」
「あ、もう着くで」
「あ…はい」
「覚悟ええか?」
「…もう…」