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さすがに無理やろ
第13章 とんだ悪魔
『squeeze』にて
「いらっしゃいませ」
「あの、水本で予約が入ってると思うんですけど」
「あ、はい。お待ちしておりました。
こちらです、どうぞ」
「あ、はい」
squeezeは
青山さんの言うてた通り
なかなか賑やかで
若い客多いな…
そう思いながら
店員の後をついて行くと
どんどん店の奥へと通され
「こちらです」
個室のような部屋へと案内された
「あ、すみませ…」
え?ここ?
中に入ると
そこは個室になってて
てゆーか
普通の個室やのうて
ソファー置いてあるやん
なんか…ヤバいんちゃう?
なんか嫌な予感して
外に出ようと振り向くと
「新飼さーんっ…うっ…」
なんと泣きながら
水本さんが入ってきた
「ど、どないした?
大丈夫か?
なんかあったんか?」
「ひどいんですっ…
さっきまた…っうっ…」
「と、とりあえず座って落ち着き」
とりあえず
水本さんをソファーに座らせたんやけど
ここには2人がけのソファーが
ひとつしかのうて…
仕方なく
「隣、ええか?」
と確認し
水本さんがうなずくのを見て
俺もソファーに腰を下ろした
「ごめんなさい…新飼さん…」
「いや、ええねんけど大丈夫か?」
「…はい。
少し、落ち着きました」
「いったいどないしたんや…」
「また変なこと噂されてるの
聞いてしまって…」
「そぉか…。
とりあえずなんか飲むか?
あ、それと…この部屋は…」
「ごめんなさい、新飼さん。
予約したらココしか
空いてなかったみたいで…」
「ええねんええねん
謝らんでも。
ほな、しゃあないもんな」
ほんまびっくりしたわ
まさか
水本さんが泣きながら来るとは
それと
こないだと違うて
今日は水本さん大人しいし
俺に無闇に触れることもない
ここに来るん躊躇っとったけど
俺の取り越し苦労やったかもしれへんな…
「噂て…どんな?」
「私が…その…」
言葉を選んでんのか
水本さんは
うつむいたまま
そりゃそうよな
男を食うてるとか
ヤルだけの女やとか
言葉にするんも嫌やろうし
「男関係のことか?」
なんや可愛そうになって
助け船をだしてやると
水本さんは
コクリとうなずいて
目を潤ませた