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さすがに無理やろ
第13章 とんだ悪魔
「そ、そうですか」

「話しても
俺はなんも力になれへん言うたんやけど
聞いてくれただけでも
良かった言うてたわ」

「…わかる…気がします。
他は…何か…
何かありましたか?」

い、色々あったはあったけど
どれも
言えへんようなことばっかりやねん…

「何かって…」

「あ…あの…
行ったのはsqueezeだけですか?」

「そうそう。そうやで。
なんもないで。
squeeze出てすぐにタクシー乗ったし」

それは嘘やない
水本さんに告白されたとか
下着姿見たとか
抱きつかれたとかは
言われへんけど…

「そう…ですか。
あ、じゃあ私はココで」

そこでマンションに
到着してしもうたんや

俺は
部屋の前までも
行かれへん言うことか…

青山さんは
マンションの入り口で
俺に別れを告げたんや

けど
部屋に何があるんか
なんで今日に限って
そんな身なりしてんのか
気になって仕方がない

「なぁ、部屋行ったらあかん?」

「…今日はちょっと…」

「なんで?」

「ち、散らかってて」

「そんなん気にせんし」

「ほんと、ごめんなさい」

「怒ってる?」

「え?」

「なんか怒ってるんちゃう?」

「怒ってなんか…」

「ほななんで部屋行ったらあかんねん」

「それは…ごめんなさい。
本当にごめんなさい。
明日なら大丈夫だから
今日だけは…」

そこまで言われたら
もう引き下がるしかない
俺は結局
理由は分からへんまま
そして
猛烈にモヤモヤしたまま
青山さんと別れたんや

バイバイの
キスさえもせえへんままで
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