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さすがに無理やろ
第14章 誤解

「お前…大丈夫か?」

「………」

「水本さんと俺が寝たと思うてたんか?
いや、ちゃうな
酷いことって言うてたもんな。
SMでもしたと思うたか?」

「新飼さん…」

さっきの勢いはどこへ行ったんか
俺は
肩を落とした安藤の隣に座り
安藤の肩に手を置いた

「水本さんの噂
ほんまなんやな」

「…多分…
欲しくなるんです
人のもの」

なるほど

「水本さんは
新飼さんを…
青山さんに取られたくないって
思ったんだと思います」

「そうか…
そんでお前は
俺に水本さんを取られたと
思うたんか?」

「いえ…」

「ちゃうんか」

「そもそも
俺のものじゃないですから…」

「……それは辛いなぁ」

安藤は水本さんに誘惑され
すぐに付き合うようになったが
貢ぐとすぐに捨てられたらしい

それでも
水本さんが好きでたまらん安藤は
今までのことや噂
全部ひっくるめて愛すから
もう俺だけを見て欲しいと
懇願した

けど水本さんは
振り向いてくれず…
でも
事あるごとに
一方的に連絡をしてきたり
助けを求めたりするんだとか

それで昨日も
新飼さんに酷いことをされたと
泣きついてきたらしい
青山さんなんかに
取られたくないんだと…

皮肉にも
噂も過去も全部引き受ける
と言う安藤に
水本さんは
本音や泣き言を言えるように
なったっちゅうことか
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