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さすがに無理やろ
第14章 誤解

「あ、青山さん何言うてんねん。
俺は水本さんとヤッ…いや
付き合うてるわけないやろ?」

え、何?
なんで?
安藤に話したみたいに
水本さんから
青山さんに連絡があったんか?
俺と下着姿でうんぬんとか
言うてもうたんか?!

「でも…」

「でも?」

「電話で…」

「で、電話?」

くっそ…水本さん
どんだけ魔性やねん
何も青山さんにまで
電話することないやんけ!

「新飼さんが
電話かけてくれた時
声がずっと聞こえてて…
その…
それが…何かしてて…」

「え?俺?
俺からの電話?」

そう
俺から青山さんに電話かけたら
水本さんが戻ってきて
いきなり抱きついてきて
携帯落としたあの時
携帯が落ちてから
青山さんは電話をとって
それからしばらくの間
俺と水本さんの声が
漏れ聞こえてたそうや

しかも
漏れ聞こえたんは…

『もう下着まで
びしょ濡れで〜…

わっ、ちょっ

あ、やだ、これじゃ
新飼さんまで濡れちゃうっ

だってそれは
安藤さんが悪いんですからぁ

何を言うてんねん
水本さん
俺の話聞いてるか?

ごめんな
ちょっと触るで?』

…という会話

最悪や
そりゃあヤッてると思われても仕方がない
青山さんは
『何かしてて』と言葉濁してたけど
ヤッてたやん!
って言いたかったに違いないんや

「誤解や。ほんまに誤解。
俺、なんにもしてないし
水本さんにも俺にも
そーゆー感情全くないねん。
しかも
水本さんは安藤と
付き合うてるし」

と、俺はあたかも
安藤と水本さんは
前から付き合うてたみたいに
付け足して
自分を正当化した

「でも…」

けど
青山さんの疑いは
スッキリとは晴れず
結局俺は
隠しておこうと思うてた
『下着までびしょ濡れで〜』から
『ちょっと触るで』
までの出来事を
事細かく説明することに
なってしまもうたんや
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