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さすがに無理やろ
第14章 誤解
「と言うわけやねん。
せやから
ほんまに何も無かったし
水本さんも酔うてただけで
青山さんが
悩むようなことは無いんや」
「…信じても…いいの?」
「もちろんや。
ほんまにほんまにほんまにほんまやから」
すると
青山さんは
はーっと息を吐きながら
天井を見上げた
「また騙されてると思いました…」
「俺に?」
「…はい…
転職前は
関係を持つとすぐに別れ話を
されていたので…
昨日もちょうど
そんなタイミングだったし
だから
振られてしまうなら
私からサヨナラしようと思ったんです。
新飼さんから…
嫌いになったなんて
聞きたくなかったから」
「気を揉ませてもうてごめんな。
けどほんまに
俺が好きなんはユリだけやし
サヨナラとか言われたら
俺が嫌やから」
その言葉の後
キスしたいと思うてた
青山さんも俺を見つめてたし
どう考えても
そんな雰囲気やったし
せえへんかったら
おかしいやん
くらいのタイミングやったし…
けど
せえへんかったんや
まだ
大事なこと
聞いてないから
「ユリ」
「はい」
「実は俺も
不安に思うてることあって
聞きたいことが
あんねんけど」
「…何?」
「昨日
なんで部屋に上げてくれへんかったん。
それと…
なんで髪巻いたり
化粧したりしてたんか
教えてくれへんかな」
「あ、えっと…それは…」
え?どないした?
急に動揺して
なんや耳がまた
赤くなってるやん
なんで?
「恋人のことを
全部知っときたいわけやないけど
気になってんねん。
あんなユリを見たんは
初めてやったから」
「も、もうしないから。
あ、ううん
新飼さんが
その方がいいならします。
あ、でも私は似合わないから
と、とにかくあの…
あれは…」
「あれは?」
「…正直に言うと…」
「うん」