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さすがに無理やろ
第3章 峰不二子の攻撃

そんなことを考えてると
それからわずか数分後
その人が席を立った

と同時に聞こえる
「ありがとうございましたー」
という店員の声

なんや…帰ってまうんか

関係の無い人やのに
俺の心が
一瞬猛烈にシュンとした

あかんな…
こんな日はさっさと帰らんと
悪酔いする

けどせめて
横顔でえぇから
顔見たかったな…

席を立ったその人は
横顔すら見せることなく
俺に背を向け
そして玄関へと向かう

長い髪

パンツスーツ…

パンツ…スーツ?

あれ?
このスーツ見覚えが…

あ!!見たことある!
今朝や!
今朝、青山さんが着てたんと
そっくりや

けどその人の雰囲気は
まるで青山さんとは正反対

凛とした青山さんとは違い
少し弱々しく
疲れてる感じや…

などと思っていると
店員さんがその人に声をかけた

「ユリさん、眼鏡忘れてますよ」

え?ユリ?

俺は
友里子と似た名前に
小さくドキリとしながら
その声に振り向く
ユリさんという人を見つめた
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