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さすがに無理やろ
第14章 誤解
「水本さんとの
会話を電話で聞いて
私はふられてしまうと思ったんだけど
でも別れたくなくて
こんな私でも
どうにかすれば
また新飼さんが
振り向いてくれるかもって…。
水本さんがタイプなら
水本さんのようにしてみようって。
恥ずかしいんですけど
お化粧したり
香水をつけてみたり…してたの」

え…
俺を振り向かせようとしてたん?
そんなこと
してくれてたん?!

「そうしたら
新飼さんに会ってしまって…
その時はもう
家の中がぐちゃぐちゃで
お化粧品や洋服や雑誌や
その他にも沢山…
とにかく
そんなことしてたのを
知られるのも恥ずかしくて
あんな顔を見られてることも
恥ずかしくて
早く…
帰りたかったんです」

「ユリ」

「…はい」

「ありがとうな」

「……」

「別れたくないから
そんなことしてたって
その時教えてくれたら
俺、嬉しすぎて
その場でユリのこと
押し倒してたかも」

「新飼さん…」

「てか元々
すっごいユリに会いたなって
すっごいユリのこと
抱きしめたかって
昨日会いに来てたんやけどな」

「ほんと?」

「ほんまや。
あぁ、やっと抱きしめられる。
ユリ…」

「ぁ…んっ…っ…」

それは
2日ぶりの抱擁やった

たった2日の間に
ほんま
色んなことがあって
俺と青山さんは
それをかき消すように
舌を絡めた

あぁ、こうしたかったんや
青山さんと
キス、したかったんや…

俺のそんな気持ちは
止めることをしらなくて
熱いキスが
愛撫に変わるまで
そう時間はかからなかった

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