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さすがに無理やろ
第15章 甘く…切なく
残念ながら
その誘いを断られた俺は
渋々
一人でシャワーを浴びて
帰宅した

翌日は仕事やのに
着替えももってなかったし
寝不足なユリを
しっかり眠らせたかったし。

俺が泊まったら
もう一回くらい
やってまいそうやったから
まぁ
しゃあないねん

で、翌日
俺とユリは
なんも無かったように
他人のフリをして出勤した

残念ながら
水本さんは
今日も休みみたいやったけど
安藤は
清々しい顔で
俺に声をかけた

「おはようございます。
ちょっといいですか?
コーヒーおごります」

「おぉ、頼むわ」

ええ報告やろう
安藤の顔には
『幸せっす!』
と、書いてあった

けどさすがに
水本さんのことが気がかりな俺は
販売機の前に到着するや否や
安藤に話しかけた

「水本さん
今日も来てないけど
大丈夫か?」

「あーはい。
心配してくれて
ありがとうございます」

「いや
俺、ちょっと可哀想なこと
してもうたし
責任感じてんねん」

「そんなこと気にしないでください。
そもそも
水本さんが巻いた種だし…
あ、でも
新飼さんが背中を押してくれて
ほんと、良かったです。
なんとか
水本さんとうまくいきそうです」

「よかった。
けど…」

「はい、わかってます。
俺にどこまでできるか
わからないですけど…
頑張ります」

「応援してるで。
けど今日休んでんのは
俺のせいやろ?
同じ職場やし
顔合わせられへんもんな…」

「まぁ…それもあると思います。
でも俺思うんです。
いい感じだなって」

「どう言う意味や?」

「今までだったら
そんなことあったとしても
気にせず仕事来てたのに
顔を合わせづらくて
休むってまぁなんて言うか…
普通だなって」

なるほど
確かに
そういう気持ちになれてる時は
魔性とは言えへんもんな

「そうかもしれへんな…
けどこのままじゃあれやから
俺にできることあったら
言うてな?」

「わかりました。
ありがとうございます」

「まぁとりあえず
気にしてへん
言うといてくれ」

「わかりました」 
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