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さすがに無理やろ
第15章 甘く…切なく
空が暗くなって
外の景色が綺麗になればなるほど
なんだか寂しくて
泣きたくなる

仕事なんだから
これくらい
我慢しなきゃいけないことは
わかってるし
今日は会えないって
言われたわけでもないのに
すごく
寂しい

人を好きになるって
胸が痛いな

好きになることも
好きになってもらうことも
ずっと避けてきたけど
恋人がいるって
こんなにも些細なことで
泣きたくなったり
するものだったのね…

新飼さんも
そうなのかな
こんな風に思うのは
私だけなのかな
私だけが
些細なことで
一喜一憂してるのかな…

私はまた
鳴らない携帯を握りしめて
鏡の前へ立った

少し気になってきた目元の小じわ
元々小さくて
コンプレックスな胸
水本さんのような
谷間なんて全くなくて
お尻だっていまひとつ
お化粧、薄いかな…
あぁ、せめて
新飼さんが
歳上ならよかったのに…

時間があればあるほど
欠点や歳上であることが
気になって仕方がない

私は
その不安をかき消すように
ポーチから
新しく買った口紅を取り出して
少し
唇を赤く染めた

どうか
今日
新飼に会えますように…と
願いながら

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