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さすがに無理やろ
第15章 甘く…切なく
side 新飼

あかん
こんなに遅なってもうた…

せやけど
どないしたんやろ
やっと仕事終わって
電話してんのに
ユリ
電話に出えへん

腹が減ったら
飯食うといてくれってメールして
わかりましたって
返信きたけど
その一言だけ

それが気になってる上に
電話でえへんとか
ほったらかしにされて
怒ってもうたんやろか…

とにかく急いで
パークホテルに向かい
俺は予約した部屋に向かった

ドアを開けると
やたら静かで薄暗い

ユリ
出かけてもうたんか?
まさか
帰ってもうたんちゃうよな

そう思いながら
部屋の中へと足を進めると
俺の
大切な恋人は
待ちくたびれたのか
ベットで
眠りに落ちていた

握りしめていたのか
携帯は床に落ち
携帯を持ってた手も
ベットからだらりた落ちている

大きなベットの隅で
身体を小さく小さくして
まるで子猫みたいや

かわいそうに
ごめんな
こんな時間まで
一人にさせて…

早く起こしてやりたいけど
あまりにも
可愛い寝顔に見惚れて
俺は靴を脱ぎ
床に腰を下ろして
ユリを見つめた

ほんま
色が白うて
白雪姫みたいや

今日はまた
無茶苦茶触り心地の良さそうな
ブラウスを着てんな…
ちょっとオシャレして
綺麗なピアスもしてるし
唇も
いつもよりちょっと赤い
ブラウスは
首まで隠れてて
柔らかそうな
品のええフリルがついてる
スカートは…巻きスカートか?
頑張ってここまで来てくれたのにな
こんな時間まで
ほんま…

「ごめんな」

俺は
そう呟いて
ユリの白く柔らかな頬を
そっと触ると
俺の白雪姫は
ゆっくりと目を開け
そして

目に
いっぱいの涙を浮かべた

「…やっと会えた…」

「ユリ、ごめん、遅なって…」

俺はもう
どうしようもなく
ユリが愛おしくて
身体を起こそうとするユリを
そのままベットに押し倒して
抱きしめた

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