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さすがに無理やろ
第16章 きっかけ

「ほな
なんで怒ってんねーん」

そう言いながら
ユリを抱き寄せて
髭を頬に擦り寄せると
ユリはまた
クスクスと笑った

「俺はずっと
ユリだけ好きやってんから」

「ほんと?」

「そぉやで」

そう言いながら
指先で
ちょこっと乳首を触ると

「あっ」

ユリは
身体を跳ねさせて
また頬を膨らませた

「見ないって言ったのに」

「見てないで?」

「でも
すぐに触ったでしょ?」

「そんなん
見いひんでも
だいたいわかんねん」

「あっ、もう、んっ」

「いやか?
ずっと忙しゅうて
久しぶりやんか」

「そう…ん…だけど」

「普通のユリが見たいねん」

「え?」

「大阪から帰って来てな…
ちゅっ…
ずっとユリは仕事モードで
ちゅ…
ほんまのユリになってるん
チャージしてる時くらいで
ちゅ、ん……っ…
もっと
大阪におった時みたいに
甘えて欲しいねん」

「新飼さん…でも
まだ食べたばっかりで
私、横になれない…」

「ユリ」

「なに?」

「エッチは
立ったままでも
できんねんで?」

「…あっ、新飼さ…んんっ…」

と、ええ感じになった
その時やった

プルルルル…プルルルル…

「あ、で、電話
新飼さん、電話」
 
「誰や今頃」

安藤や…
クソ安藤
何邪魔してんねん!!!

「もしもし安藤
お取り込み中やから
切るわ」

「あーーーちょ、
ちょっとだけ!
ちょっとだけなんで!」

「なんやもうほんまー」

と、ちょっと声を荒げると
ユリが俺の目の前で
『怒らないで』と
小さな声で囁いた

はぁ…
ユリがそう言うなら
仕方ないな

「あの、青山さんには…」

「あぁ、言うたで。
かまへん言うてたから
あとでメールするわ。
アドレスとか」

「よかった…
じゃ、じゃあ
会いませんか?直接。
水本さんは
会いたいって言ってて
それで良かったら
四人で会いませんか?」

「四人で?」

「はい。
都合が悪くなければ明日にでも」

「明日?!」
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