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さすがに無理やろ
第3章 峰不二子の攻撃

俺は
聞きたい

全ての寂しい独身男性に問いたい!

こんなことを言われて
『待たれたら困る』
などという冷たいこと
言えますか?

言えへんやろ?!

せやけどな
俺は
水本さんのそのセリフで
目が覚めたんや

そうか…これか…
これで安藤は水本さんに
引っかかったんやな…と。

けど

けどやで!

今更
お断りできる雰囲気違うやん?

せやから
とりあえず

とりあえず
今日はお約束させていただいて
話聞くだけいうことで
人の多い店とかに行くという案

どうですか?

それなら
まぁ…俺はごく普通の先輩ということで
相談にのっただけ
で、とおせるんとちゃう?

そう答えを出した俺は
水本さんに
「ええよ」
と、短く返事をした

すると水本さんはもちろん
ホッとした顔
それからその表情は優しい笑顔に変化し
潤んだ瞳で俺を見つめた

わーやばい
あんなにウブそうな
若い可愛子ちゃんやったのに
今の表情は
もうかなり峰不二子やんけ

騙されへんぞー
騙されてもええ思うてたけど
どっぷりハマったら
大変なことになる

俺はそう思いながら
また少し水本さんから離れ

「ほな、終わったらどっか飯でも行こか。
後でまた連絡するわ。
ほな、あとで」

と、伝えると
俺は事務所に戻り席についた


ふーーーっ…

ヤバかったなぁ

同僚から
噂聞いてなかったら
マジで
いってまうとこやったで


と、俺はチラリと
休んでる安藤の席に目をやった


けど…

安藤は
ホンマにふられたんやろうか…

ふられて会社休むとか
そんな分かりやすいこと
するもんかな…


そんなことを疑問に思いながら
仕事モードに突入した俺は
あっという間に
夕方を迎えてしまった
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