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さすがに無理やろ
第3章 峰不二子の攻撃

もうこんな時間か…

昼から外出してた俺が
事務所に戻ったのは夕方の4時

エレベーターの中で
水本さんとの約束を思い出した俺は
なんとも言えない溜息をついた

あんな約束してもうたけど
二人きりになれんような店に連れて行ったら
水本さん
どんな顔するやろ…

せやけど二人きりになるわけにはいかん
少々気は重いが
そうするしかない
ファミレスいうのもあれやから
最近同僚に連れて行ってもらった
客席に仕切りの無い店にでも誘うか…

そう考えながら事務所の中へ入ると
俺はある人物を見つけ
思わず名前を呼んでしまった

「あっ…安藤…」

「あ、新飼さん
長い間休んでしまって
すみませんでした。
謎の帯状疱疹で…」

昼までおらんかった安藤が
出社してたんや

「た、帯状疱疹?!」

「はい。
でももう薬も効いて良くなったんで
ご迷惑おかけしてすみませんでした」

「いやいや
良うなったなら良かったわ。
無理すんなよ」

「はい」

え?
帯状疱疹?
水本さんと別れたん違うかったんか?
いや待てよ
別れて精神的にヤラれて
帯状疱疹なったんかも…

俺は
猛烈なスピードで
色んなことを考えながら席に着くと
チラリと水本さんに目をやった

すると
水本さんも俺に視線を合わせ
なんや微妙な表情をして
ペコリと小さく頭を下げた

ん?
何のサインや?

そう思うたけど
その後すぐに
水本さんは俺から視線を外してしまった

しゃあない
ジロジロ見るのもあかんし
俺も水本さんを見るのやめて
仕事に戻るか…
と、デスクの上を見ると
見覚えのない書類が置かれていた

そして
その書類の中には
見たことのない可愛らしい付箋が貼られている

…誰が置いたんや?






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