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さすがに無理やろ
第6章 もどかしい偶然

俺は必死で
人混みの中の青山さんを探した

行き交う人々
改札へ向かう階段
もしかして
エレベーターか?

…あかん…
おらへん…

青山さん…大丈夫やろうか…

出た事ない駅やけど
改札まで行ってみるか

俺は
途中で青山さんが倒れてるんやないかと
心配になって
改札まで出てみることにした

そして
改札へ向かう階段へと
移動しようと振り返った時
項垂れるようにベンチに座っている
ひとりの女性が目に入った

あれ……青山さんやないか!

「青山さん!」

俺は急いで青山さんに駆け寄り
バックを抱え込むようにして
座っている青山さんの肩に
そっと手を置いた

「青山さん、大丈夫?
気分悪いんか?」

うつむく顔をのぞくと
青山さんの顔色は悪く
寒いのか
少し身体が震えてるみたいやった


「…あ…
…新飼さん…」


「さっき電車で
青山さん倒れそうやったから
心配になって…
なぁ、大丈夫か?
いうか、大丈夫や無さそうやな。
熱、あるんとちゃうか?
ごめんな、ちょっと触るで?」

俺はそう謝ると
喋るのもしんどそうな青山さんの頬に
手の甲をくっつけてみた

「熱、あるやろこれ。
病院行くか?」

すると青山さんは
ゆっくりと首をふって
「疲れただけだから…」
と呟いた

「いやいや熱あるって」

「…大丈夫…」

無理無理連れて行くわけにもいかず
かと言って
このままにしておくわけにも…

「ほな送るわ。
タクシーでええな?」

「……」

青山さんからの返事がなく
俺はまた
変なことを言うてしもうたと
後悔した

「あーちゃうねん。
家とかあれやもんな?
ほなタクシー乗り場まで。
青山さんがタクシー乗ったら
俺帰るし」

すると青山さんは
目を閉じて
ぎゅーっとバックを抱きしめた

「痛いんか?
腹とか痛むんか?」



「……寒くて…」

その言葉を聞いて
俺はもう青山さんの答えを聞くのをやめた

寒いとか
熱が上がってるにきまってる

俺は
自分の着ていた背広を
青山さんの肩にかけ
少し肩を抱くようにして
青山さんをゆっくりと立たせた

「歩けるか?」

「……はい」

「残念やな。
歩けん言うたら
ここで姫抱っこしてやったのに」
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