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さすがに無理やろ
第7章 揺れる青山さん
突然のお開きやなぁ…

もう一軒誘いたいけど
今日は我慢するか

もっと一緒におりたいけど…。

あぁそれとな
払いは割り勘やった
俺が全部出す言うたんやけど
青山さんがどうしても納得してくれんかったんや
まぁそれも
青山さんらしいといえば
青山さんらしいねんけど


「ほな、送るわ」

「い、いいですいいです。
一人で大丈夫ですから」

「何言うてんねん。
女の子一人はアカンやろ」

「女の子という年齢でも
危ない目に遭うような年齢でもないですから」

いやいやいや
めちゃくちゃ痴漢に遭いそうな見てくれで
何を言うてんねん

「十分女の子やし
今は80のおばあちゃんでも
襲われる時代やで?」

「えっ?」

ほんまに知らんかったんか
青山さんは驚いた顔で
俺を見上げた

眼鏡を外した
そのナチュラルな瞳で見つめられると
このまま青山さんを抱きしめたくなる

そして
そのフワリとしたまつ毛に
唇を寄せる事ができたら…

「ほんまのことやで?
せやから送るわ。
あ、そういえば
俺、31歳やねんけど
青山さんいくつ?」

「あ、あの…33です」

歳上ということに気が引けたのか
青山さんは少々遠慮気味にそう答えた

「知ってたけどな」

ほんまは知らんかったけど

「なんだ…」

知ってたという言葉にホッとしたのか
珍しく砕けた口調でそう溢した

俺は青山さんが歳上でも何一つ問題ないし
むしろ水本さんみたいに
えらい年下の方がアカンことしてるみたいで
気になるけどな

「俺、歳上好きやねん」

「ほんとですか?」

「ほんまほんま」

嘘や
歳上と付き合うたこと
一度もない

と、そんな話をしながら
俺と青山さんは
ゆっくり歩きながら駅へと向かっていた

『送る』というのは
どこまでなのか
そんなことは決めて無かったけど
どうやら駅まで送るのは
お許しが出たみたいで
なんとなく自然に
二人並んで歩いていることが
俺は妙に嬉しかった
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