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さすがに無理やろ
第7章 揺れる青山さん

そんなこんなしていると
残念ながら
駅が目の前に見えて来てしまった

隣の駅まで送る言うたら
断られるやろうか…

そう思うてたら
青山さんが突然立ち止まり
先手をとってきた

「新飼さん
もう大丈夫です。
遠回りさせてすみませんでした。
わざわざありがとうございました」

マジか…
せめて改札まで送らせてくれ

「改札まで行くで?」

「いえ、そんな」

「もうちょっと歩きたいし」

「本当に大丈夫ですから」

ん〜…なかなか手強そうやな
しゃあない
本心丸出しにするか

「正直に言うわ。
改札までの数分でも
青山さんとおりたいねん」

「……」

絶句
という感じやろうか
青山さんは言葉を失った

ほんま
可愛らしい

「ほら、行くで?」

赤から青に変わった信号を指差し
俺が青山さんの背中を
そっと押すと
青山さんは戸惑いながらも
歩きはじめた

そんな青山さんの顔を覗き込み

「ほんまは家まで送りたいけど
これでも我慢してるんやで?」

と、声をかけると
青山さんは照れ臭そうに微笑んで
小さく小さくうなずいた

好きや

なんでか分からへんけど
そんな青山さんが好きや

いや
そんなやから
青山さんが好きなんかもしれん

ひと言では説明でけへんけど
その時俺は
歳上やのに
俺の隣で戸惑ってる青山さんに
ときめいていた

歳上の女を
好きになったことなんて
今までなかったのに


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