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さすがに無理やろ
第9章 友達からの脱却

俺がそう言い終わると
「失礼します」
ちょうど葵ちゃんが料理を運んできて
青山さんは
葵ちゃんに何やら目配せをした
ん?
何やろ…なんか企んでんのか?
とは思うたものの
何が起こるというわけでもなく
「こちらが最後のお料理になります」
と、葵ちゃんは俺にそう伝えた
そして
「ユリさん、モテモテですね。
もう新飼さんと
付き合っちゃえばいいのに」
そう言って
青山さんを茶化した
「葵ちゃん!」
すると青山さんは
葵ちゃんを軽く叩いて頬を膨らませ
恥ずかしそうに俺をチラリと見た
可愛いらしいなぁ
若い子が
大袈裟に可愛子ぶるのも
それはそれでええねんけど
今の俺には
青山さんのナチュラルなそれが
たまらんねんな…
そんな顔を
もっとずっと近くで見れたら
どんなにええやろ
「せやろ?
なかなかOKしてくれへんねん。
どないしたらええのか
教えてくれません?」
「それですね…」
前に会うたときは
えらい俺のこと悪者扱いやったけど
誤解がとけたんか
葵ちゃんは俺のことを
推してくれてるみたいやな
「葵ちゃん!」
青山さんは
小さく首を振って
葵ちゃんに何も言うなと
ジェスチャーしていたけど
葵ちゃんはそれすらも面白がってるようや
「グイグイ押すしかないですね」
「グイグイ?」
「はい。
ユリさんはずっと恋人がいなかったから」
「え?そうなん?」
「そうなんです。
だから、ユリさんに任せてたら
何も始まりませんよ、きっと」
「もう!葵ちゃん!」
青山さんは
また顔を赤くして
葵ちゃんを軽く押すと
熱くなった頬を手で仰ぎはじめた

