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さすがに無理やろ
第9章 友達からの脱却

「これ以上居たら叱られそうなので
私はこれで」
その方が良さそうや
「参考にするわ。
ありがとうな」
「はい、頑張ってください。
では後ほどデザートお持ちしますね」
いったい何があったのか…
葵ちゃんは
俺に頑張れと言い残して
部屋を出て行ってしまった
もちろん
反対されるより嬉しいし
なんや
合格通知を受けたような気分や
「い、今のは気にしないで下さい」
「気にしないでってどの部分や?」
「え?」
「恋人ずっとおらへんいうとこか?
気になんかしてへんけど
無茶苦茶参考にさしてもらうな」
「もう…新飼さん…」
「そない恥ずかしいことか?
恋人がおってもおらんかっても
青山さんに違いないんやから
気にせんでええよ」
「あ…はい」
なんや、ほんまに年下みたいやな
敬語やし
偉そうにせえへん
せやけどさすがに
付き合うたら
それは無くなるんやろか…
それから少しすると
デザートが運ばれて完食し
ほろ酔いになった俺たちは
村瀬を出ることにした
残念かながら葵ちゃんは忙しいようで
ロクに挨拶もできんまま
俺と青山さんは
店の外に出た
「あーなんや風が気持ちええなぁ」
「そうですね」
もう一軒誘いたいところやけど
昨日も疲れて酔うてたし
どないしよ…
そう迷いながら歩き出すと
青山さんが俺の名前を呼んだ
「新飼さん」
「ん?」
「あの…」
「なに?」
「す、少し…お話したいんですけど」
「え?!え、えーよえーよ。
少しやのうて沢山でも!」
そう言うと
青山さんはクスリと笑って
ふわりとした髪を耳にかけた
あ…可愛らしいピアス付けてるやん…
青山さんが
アクセサリーを付けてんの見たのは
それが初めてやった

