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第7章 憧れの先生

　忌引きの期間も終わり、学校に登校しなければならない。正直な話、とても憂鬱であった。和義は、学校の支度をしながら、急ぎ足で朝食を食べた。今日から学校に行く。父親が亡くなって、心にポッカリと穴が開いたような感じになっていたのだが、由美のおかげもあって、気分はそれほど悪くない。
　いつも通り振舞えば、問題は何も発生しないだろう。
（それにしても、憂鬱だな……）
　と、和義は考える。
　長く休んでいたから、なかなか学校に足が向かなかった。それでも、彼は意を決し、家を出ようとした。その時、インターフォンが鳴り響く。玄関に向かって、トビラを開けると、そこには由美が立っていた。制服姿である。
「由美、どうしたんだよ」
「今日から学校でしょ。だから一緒に行こうと思って」
「あ、ありがとう。わざわざすまないな。心配かけて」
「ううん、私は大丈夫。じゃあ、行こうか」
「そうだな」
　こうして、和義は由美と共に学校へ向かった。
　久しぶりの学校。慣れ親しんだ教室に入ると、数名の生徒が、お悔やみの言葉を和義に告げた。こうなると、本当に父親が亡くなったんだという気がして、どこか寂しくなる。
　朝のホームルームを始める前に、彼は担任教師に呼ばれた。
　和義の担任教師は、鈴木美香子という２８歳の女性である。抜群のスタイルと、モデルのようなルックスをしているため、学園の華として認知されている。男子生徒からの人気も高く、そんな教師が担任であるため、よく羨ましがられるのだ。
「有田君ちょっと」
　久しぶりに自分の苗字を告げられて、和義は動揺する。
　本当に学校にやって来たんだ。そんな気持ちになるではないか。
「せ、先生、何か用ですか？」
「今回は大変だったわね。大丈夫なの？」
　どうやら、心配してくれているようである。