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抱けない彼を妄想で抱く
第4章 休日の昼下がり、後ろから
彼は乳首には触ってくれず、触れそうになると手を広げてふくらみの坂道をおりていきます。
さっきの仕返しなのでしょう。
たまらない気持ちになり、彼に視線をおくり身体を密着させて
「触って」
とねだりました。

彼はそれに対して
「みてて」
とだけ言うと、わたしの胸に視線をおろします。
つられて視線を向けると、彼の指がわたしの乳首に触れそうになっていました。
たまらず胸を突き出すと、指はひゅっと後ろに逃げます。
もどかしさのモヤが胸の内で渦巻きました。
触ってほしい。
でもどうすることもできないのです。
コントロール不能な事柄です。
困ったように彼を見ました。
彼は悪そうに笑って、わたしを弄んだ指を唇の前に差し出しました。

わたしは口をあけて舌で彼の指を受け止めることにしました。
受け止めたその細い指は、留まることなく舌の上をつうっとなぞります。
「んん…っ」
胸のあたりに力がはいり、口を閉じそうになって顔をゆがめます。
彼は今度こそ舌の上に指をぺたりと置きました。
わたしは口をあけたまま、指を別のものに置きかえて想像し、頭を前後にゆらしました。

ゆっくりとした動きで彼に見せつけるように、舌の上の指を滑らせます。
身体の奥がジンと熱くなります。
きっと濡れてると思います。
こんなに気持ちいいのに濡れていないわけがありません。
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