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微妙なお年頃
第4章 ・・こない
席に着くと、まずビールねと指を二本立てる文子と会うのは半年ぶりだ。
「しばらく会わない間に・・なんか痩せた?スタイルも良くなったんじゃない?
体締まってるって感じ。スポーツクラブって結構効果あるんだね」
手に取ったメニューをパラパラめくりながらもコズエの顔のラインや二の腕に
視線を走らせている文子。
「これはまさに努力の賜物よ。ずっと通ってたってちっとも変わらないオバちゃん達だって
たくさんいるんだから。私はがんばったからこうなったの」
コズエは得意げに顎を上げ、ふふっと鼻で笑って見せた。
「ふうん・・まあ、こうやって結果出してるんだから、自分で言うのもありだわよね。
だけどそんなに頑張るにはなんか訳でもあるの?例えば旦那を見返してやろうとかさ」
そうきたか、と文子の想像に心の中でうなずきながら
話し出す姿勢を整え大きく息を吸った。
「じつはね…私も始めちゃった・・」
「始めたって、なにを?」
あの時文子に返した言葉とおんなじだ、と思い出し笑いを浮かべてから、小さく囁く。
「う、わ、き」