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微妙なお年頃
第5章 中年女子、次から次へ
拓哉の個人レッスンを受け始めて早一年。
同時に、生理がこなくなって一年という月日が経った。
とうとう迎えることになったのだ。閉経という区切りを。
53歳。ここまで過ごしてきた女の体が、無事に変化を遂げたのだ。
子供を二人産み育て、その間にも月に一度の不快な数日間に悩まされ、
中年期に入ると今度は更年期と思われる症状が始まり、
それでも頑張って日々家族のために家事をこなしてきた。
まだしばらくは、更年期という厄介な時期を過ごさねばならないけど、
荷物を一つ下ろせたのだから、心も体も少しは軽くなったはずだ。
・・さあ、これからもっと楽しまなきゃ・・
浮気を楽しもう、というわけではないが、「こない」が解消されすっきりしたところで、
カレに、拓哉に気持ちを聞いてみようと思う。
この先どれくらい関係が続くのかわからない。
まだ続くのかもしれないし、近いうちに終わってしまうかもしれないし。
どっちにしても聞いてみたい。
どうしてこんなことしているのか、どうしてこんなおばさんを相手にしてるのか。
次のレッスンはいつも行くビジネスホテルじゃなく、
ムードを変えてラブホテルに行ってみたい。
一年という記念に、これくらいのおねだりは許されるだろうと、
拓哉にホテルのマークの絵文字入りメールを送った。