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微妙なお年頃
第5章 中年女子、次から次へ
「俺ね、まだ結婚する気ないんだ。今はまだ自由に女と付き合いたいし交わりたい。
 正直に言うとね、あのクラブで何人かの女と関係してきたよ。
 若い、っていう言い方するとコズエさんに失礼かもしれないけど。
 でもそう言う年頃の女って、体重ねたら恋人になって、その先に結婚があって、って
 すぐそっち行きたがるんだよね。でも、コズエさんのように結婚してる女は
 そう簡単に身の振り方考えないでしょ?
 だって、こんな若造で給料だって高給取りとは思えないような男と
 今の生活捨ててまで一緒になろうと思わないでしょ?
 そういう点でもコズエさんは理想なんだ。ちゃんと旦那さんがいる。
 それなりに余裕がある。経済的にもね。こんな若造と一緒になるから別れるわ、
 なんてことにはならないでしょう?もちろん、女性として俺のタイプだよ。
 コズエさんだって、俺との関係、ただの浮気として楽しんでるように見えるけど、
 違う?」
拓哉の言う通りだ。
今の生活を捨ててまで彼と一緒になりたいなんて、想像すらしたこともない。
夫のおかげで今の生活がある。それを十分承知している。
女として満たされない部分があったからそれを満たしてくれる男に託している、
そういう機会に恵まれたから浮気をしている、それだけのことなのだ。


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