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揺れる世界の秘め事
第8章 布越しの体温
カーテンから差し込む光を感じて目を覚ます。
目の前に有馬君の顔があって
ピッタリ2秒ほど固まって顔が赤くなる。
なんだか、昨日は大胆だったかも…お互い……。
そろりと腕を抜け、昨日のと違うスーツを取り出す。
シャワーを浴びてから
下着の替えを用意し忘れた事を思い出し、
有馬君が寝ている姿を確認した後バスタオルのまま着替えを取りにいく。
タンスを開けようと少しだけかがんだ隙に背後から抱きしめられ、肩が跳ねる。
「きゃぁっ」
「せんぱぁい…おはようございます。で、アンタ馬鹿なの?」
寝ぼけた風にかわいらしく声をかけられたと思ったら
すぐに低くて刺さるような声に変わる。
腰と胸元を押さえるように抱きしめられて抵抗もできない。
一応バスタオルを抑えられているが、
頼りない一枚の布ごしに触れられている場所が熱い。
「お、おはよ…ぅ…朝から馬鹿とか言わないでほしいわ」
うかつだったとは自分でも思ってはいる。
「朝から誘ってんのはソッチだろ」
「誘っては無い…から…」
あまり強く抵抗をできずにいると
「本当?」と意地悪く言われ
有馬君の腕がそろそろと移動していく。
「ゃ…だ…」
バスタオルの上から指が胸を優しくなぞっていき、
それだけで体が熱を帯びていく。
反対の腕はバスタオルから出ている太ももを撫でる。