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揺れる世界の秘め事
第2章 満員電車
ガタン…ゴトン…
ガタン…ゴトン…
「……ふぁぁ…」
懐かしい出来事を夢で見たからか、眠りが浅かった。
電車の音を遠くに聞きながら手にしていた本を閉じ、あくびをかみ殺す。
会社員になって3年目で通勤にも仕事にもやっと初心者マークが取れた私…藤木麻美は会社までの電車通勤だけはいつまで経っても全然慣れない。
…というか、どうしても好きになれない。
電車を使うのは便利だけれど、車内は暇で困る。
そう思い用意した本だったのだけど……
(やっぱり…満員電車…)
通勤時間がその他大勢の人と被ってしまう。
それは当然かもしれないけどそんな電車内は地獄だ。
持ってくるときに失念していたが、これじゃ本どころではない。
手にした本を急いでカバンにしまう。
ため息混じりで覚悟を決め、
開いたばかりの扉の中に周りの人と吸い込まれていく。
(く…くるしぃ…)
女性専用車両に向かう事もあるが…
あそこはあそこで香水が強く辛い。
時折チャレンジしては後悔してしまう。
(ぅ、うぅーん…今日はいつもより混んでるかも……)
約一時間の電車通勤。
気を引き締めて耐えなければ。
揺れる中、慣れた人は自分のポジションを確保していく。
時には痴漢冤罪を恐れてか、なにがなんでも鞄と手すりを必死に握りしめている人もいる。
ガタン…ゴトン…
「……ふぁぁ…」
懐かしい出来事を夢で見たからか、眠りが浅かった。
電車の音を遠くに聞きながら手にしていた本を閉じ、あくびをかみ殺す。
会社員になって3年目で通勤にも仕事にもやっと初心者マークが取れた私…藤木麻美は会社までの電車通勤だけはいつまで経っても全然慣れない。
…というか、どうしても好きになれない。
電車を使うのは便利だけれど、車内は暇で困る。
そう思い用意した本だったのだけど……
(やっぱり…満員電車…)
通勤時間がその他大勢の人と被ってしまう。
それは当然かもしれないけどそんな電車内は地獄だ。
持ってくるときに失念していたが、これじゃ本どころではない。
手にした本を急いでカバンにしまう。
ため息混じりで覚悟を決め、
開いたばかりの扉の中に周りの人と吸い込まれていく。
(く…くるしぃ…)
女性専用車両に向かう事もあるが…
あそこはあそこで香水が強く辛い。
時折チャレンジしては後悔してしまう。
(ぅ、うぅーん…今日はいつもより混んでるかも……)
約一時間の電車通勤。
気を引き締めて耐えなければ。
揺れる中、慣れた人は自分のポジションを確保していく。
時には痴漢冤罪を恐れてか、なにがなんでも鞄と手すりを必死に握りしめている人もいる。