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揺れる世界の秘め事
第10章 秋空のフェスティバル
「そんな事より…あんたが年下捕まえるなんてね」
「捕まえるって…そんなんじゃないよ、
今回のも誘われたからだし」
苦笑まじりに呟くと「まぁまぁ」となだめられる。
この間のことも知っているリカはもう時間の問題と見てるみたいだ。
まぁ…私も有馬君だったら悪くないとも思わなくも…ない…様な…。
そんな話をしていると目的の駅についた。
駅前はそこそこに人が多く、
簡単に会えそうもないかなと思い有馬君に電話をかける。
2コール目に相手が電話を取る音がして、
「もしもし?麻美さん?」と有馬君が言葉を発する。
「うん、今駅に付いたんだけど、どこら辺にいるのかな?」
『うーん、そうっすね……ああ、いたいた』
少しだけ考えるように沈黙を作ったと思うと
彼の声が少し近くに感じるようになり、
まわりを少しキョロキョロと見渡す。
…いた。
こっちに向かって満面の笑みを零し有馬君が走ってくる。
こんな人の多い場所で数分もせず会えるとは思わなく、
少し嬉しくなる。
ピ。と通話を切り、リカを連れて有馬君のほうへ歩く。
「へへ、すぐ見つけられた。ラッキー」
「こんにちは。走らなくても良かったのに」
そう苦笑してからリカを紹介する。
リカは予想より背の高い有馬君を見てギョっとしたが、
そんなに興味なさそうにというか、
少しそっけなく挨拶をする。