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揺れる世界の秘め事
第12章 家まで、待てない…
「麻美センパーイ、どうする…?」
首元で囁くように尋ねられぴくんと肩が小さく跳ねる。
それはきっとこの続きをするか、という問いかけだと感じて、
「ここでは…やだよ…?」と言い返すしかできない。
たぶん、文化祭の方に全員気を取られ誰も気付いたりしないかもしれない…けど。
初めて繋がる場所が外だなんてことは少し避けたい。
「私の家…?」
撫でられるのが気持ちよくて目を細めながら聞く。
「そこまで待てねぇ」
そう即答されてしまって、確かにと頷く。
するりと首を抱いていた腕を離して隣の椅子に座るように促すと、
少しだけ不満そうに顔をしかめてから、私のすぐ隣に椅子を運んで座る。
どちらからともなく、指を絡めるように手を繋いで少しだけ休憩する。
「腰くだけちゃった…」
照れ笑いを浮かべると有馬君がイタズラな笑みを浮かべる。
「そんなにキスよかった?」
ニヤリと笑う彼の瞳はまだ妖しい炎が浮かんでいて、
直視すると少し冷めた熱が戻ってきてしまいそうで目を逸らす。
「わかりきったこと…聞かないで……」
大きくは返せないけど肯定する。
くすりと笑って寄ってくる有馬君の顔にドキドキが加速する。
「軽くイクくらいに…?」
首筋に息がかかるくらいに近寄って囁いた彼はふぅっと息をかけてから離れる。
「ひぁ…っ」
その変な感覚に声が漏れて恥ずかしくなる。
「はは、えっろ…」
だれのせいよ、と睨みつけると、
有馬君の瞳にさっきよりも妖しい炎が強くなってるのを感じ、ドクンと心臓が脈打つ。