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恋する男子に恋をした
第5章 嫉妬
「実る事のない……か。じゃ、俺もその仲間入りだよ!」


「そっか、でも好きなんでしょ?」


「どうやらそうらしい。俺も相当バカなんだよね」


そう笑うと、美咲ちゃんも笑った。

相当バカだよ、マジで。

美咲ちゃんに振られた腹いせに、俺を犯した男を好きになるなんて。


「太田くん、私……諦めた方がいい?」


「……うんって言ったら諦められるの?」


「諦める努力をするの」


努力かぁ、俺も避けられてるんだし、間接的に諦めろって言われてるんだろうな。

さっぱりと言った美咲ちゃんだったけど、目には涙を溜めていて失恋の痛みを受け止めてるんだと思った。

俺と同じ痛みを負ってるのに、彼女はしっかりと向き合っていて、振られる覚悟の上でそう言っているんだ。

俺が……ここで、優しい言葉なんて言えば、今以上に傷つくんだろう。

しっかり、次の恋に行ける様に背中を押さなくちゃいけないんだ
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