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恋する男子に恋をした
第3章 印
そう思った俺は安心してバイトに向かった。


多分、蜂屋が変な事してきたからこうなっただけで、離れればなんて事無く、今までの自分に戻れると、そう思った。ううん、思いたかった。


それでも、美咲ちゃんの勤めるコーヒーショップの前には、またもや蜂屋がいて、心がざわつく。


ギュッと苦しくなる俺の胸に、これってマジかよ?!と、ツッコミをいれつつ足を進めるが、近づけば蜂屋の視線や表情まで読み取れて、自分まで切なくなって、何時の間にか足が止まっていた。



「何つー顔で……見てんだよ。そんな顔するくらいなら、告っちゃえよ。あいつには望み無いから俺にしろって……」



蜂屋が足を進めるのを見て、自分もまた歩きだした。

恋敵が異性で、しかも俺を好きって最悪だけど、キレイな片思い三角関係が出来てるなって思うと、ちょっと笑えた。


時間を追うごとに自覚をする、蜂屋への思い。
それでも変わらない、勘違いかもと願う気持ち。


本当は分かってるけど、普通の男でいたい俺は、自分の気持ちを受け入れられなくて揺れ動いているのだ。
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