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昼想夜夢~君、想ふ~
第6章 指先
彩花の表情がどんどん険しくなっていく。

俺なら…、やりかねないとわかっているのだろう。

「この着信を無視したら、北条は大変な事になるかもな…」
「あ、や…」

恐らく、今日の残業は北条の一人作業。
トラブルを処理出来ず、何か重大なミスに繋がり、会社に損失を出せば北条の責任になる。
そしてそれは、連絡を無視した俺の責任にもなってしまう。


しかし、この状況で俺が電話を出るということが何を意味するか、彩花はもうわかってる。
俺と一緒にいるのが北条にバレてしまう。
そうなれば、必然的に俺と彩花の関係も疑われる。


「ま、待って…っ!やだ…」

抵抗したくても、俺の手にはカッターナイフ。
下手なことをすれば今度は髪を切られるだけでは済まない。


「北条はどんな顔をするだろうな。俺とお前の関係を知ったら…」



俺の指がゆっくりとスマホの画面に伸びた。
ここで通話ボタンを押せば全てがバレる。



「ま、待って!やめて…っ!!」



もし、全てがバレて北条にフラれても大丈夫。
俺の破壊衝動はウキウキしていた。
自分で抑えられないなんて…、情けない。



「彩花のそばには、俺がいるから」






「い、やぁ…っ!やめてぇぇぇぇーーーーーっ!!」





















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