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昼想夜夢~君、想ふ~
第12章 雷鳴
「純也さ…、純也ぁ…っ」


どこまでも、どこまでも残酷だな。
俺の名前を紡ぐその唇とその声。
それも全部、北条のものになるんだ。

彩花はまだ知らないだろうが、お前はもうすぐ幸せになれる。
ずっと願っていた幸せな家庭を手に入れられる。

最低最悪な俺とも別れられる。

きっと彩花には、これからたくさんの幸せが待ってるはずだから。




「彩花…」
「あぁっ!イ、イク…」




「俺は、お前が――――――」











言っても仕方ない台詞。
いや、今一番言ってはいけない一言だった。

なのに、彩花があまりにも可愛くて、俺のものにしてしまいたくて

「純也…っ」
「……んっ」



震える手を伸ばし、両手で俺の頬を掴むと、そのまま



「んっ、んぅ…」
「―――――っ」



俺の言葉を遮るかのように、彩花の唇が俺の唇に重なった。
彩花から俺にキスをしてくるなんて初めての事で、一瞬何が起きたかわからなかった、が

今までにないくらいに深いキス。

それだけで俺は、眩暈を起こしてしまうぐらいに幸せな気持ちになれた。



たった一回、彩花からのキスで。




「ん、ん、あぁ…っ!ああああっ!」
「彩、花…っ!――――っ!」




このまま、体や唇だけじゃなく、彩花を丸ごとどこかに繋げておきたい。
繋げて、閉じ込めて、俺のものにだけにして置きたい。

いや、それだけじゃない。
もし、時間を巻き戻せるなら…
彩花を見つけたあの雨の日からやり直したい。

誘拐とか、変質者とか、ロリコンとか言われていいから。

彩花をずっと、俺のそばに置いておきたかった。

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