この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
昼想夜夢~君、想ふ~
第12章 雷鳴
油断すれば、口から零れてしまいそうになる。
彩花への想いが…。
だが、もうすぐ北条のものになる彩花に、俺の気持ちを告げて何になる?
そんなもの、彩花には重荷にしかならない。

このまま何もなく別れるくらいなら。
最後ぐらい爪痕を残したかった。

俺の事を忘れて行くぐらいなら、憎しみで俺を覚えてて欲しい。
彩花の人生に土足で踏み込んだ最低な男として覚えてて欲しかった。



「……まぁ、そういう事だから。今まで無理させて悪かったな」
「ちょっ、待って…」




これ以上、ここにいたくない。
彩花の声を聞いていたくない。





「純也さんっ!…純也お兄ちゃんっ!!」






その声で、俺の名前を呼ばないでくれ。
俺はもう、何も出来ない。










「待ってっ!お願い…っ!純也――――っ」












―――――バタンッ!




重いドアを閉め、俺は部屋の外へ脱出。
部屋の中に彩花を残したまま。
SMルームなだけあって防音設備はしっかりしている。
さっきまで叫んでいた彩花の声ももう聞こえない。

聞こえないだけで、彩花はまだ中で俺の名前を呼んでるのかも知れない、が

彩花の声はもう俺の耳には聞こえない。
聞きたくもない。


「――――…っ」


重い壁に背中を預け、はぁっと溜め息をつくと、全身の力が一気に抜けて行くのがわかった。


今夜が最後だった。
彩花に触れるのも、彩花とキスするのも、彩花に会うのも、今夜が最後。

もう、明日からは彩花に会えない。
彩花はもう、北条のものになるのだから。

もう…、俺の妹じゃなくなる。
これからずっと、彩花のそばにいるのは…。



/246ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ