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昼想夜夢~君、想ふ~
第12章 雷鳴
「くっそ…」
馬鹿野郎…
馬鹿野郎、馬鹿野郎、馬鹿野郎
馬鹿野郎がっ!!
張り裂けそうな胸の痛み。
心臓が真っ二つになりそうな激痛。
大好きだった。
大好きだったよ、誰よりも。
――――――っ!
大きな重い扉を背に、これまでの事を思い出した。
ムリヤリ奪った事も、脅迫まがいの事も、全部。
出来るなら、あの雨の日
彩花を見つけたあの日からやり直したい。
出会わなければよかった。
出会いたくなかった。
そうすれば、こんな胸の痛みも感じなくてすんだはずだ。
泣き出しそうな顔を隠しながら、そして自分の気持ちを押し殺しながら
俺は何もかもを封印した。
彩花への想いも、自分の気持ちも、何もかも。
さようなら、と。